相続と遺言

相続財産の処分と相続放棄の可否

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相続財産の処分と相続放棄の可否

相続放棄、3ヶ月以内だけど、できない!どうして?

相続放棄は相続開始後3ヶ月以内に手続すれば認められます。しかし相続財産に手をつけると相続放棄をすることができなくなる場合もあるので、注意が必要です。また、相続放棄が認められた後は、相続人ではなくなるので、どんな理由があっても相続財産を処分することは厳禁です。

相続放棄の前に相続財産を処分すると、放棄は認められない。

POINT
  • 相続を単純承認すると、相続放棄をすることができなくなる。
  • 被相続人の相続財産を処分すると単純承認したことになる。
  • 相続放棄が認められたとしても、その後、相続財産に手をつけると相続放棄が認められなくなる。

相続は被相続人(死亡した者)が死亡すると開始します。(民法882条)そして、相続人は相続開始のときから、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。(民法896条)

そこで相続人は、相続開始後にその相続の承認又は放棄をすることができるとしています。相続の承認には単純承認と限定承認があります。

相続人が、限定承認又は相続放棄をするには、家庭裁判所にその旨を申請して認めてもらうことが必要ですが、相続の単純承認は特に決められた方式があるわけではありません。そうなると被相続人の債権者などの利害関係人は、相続人が被相続人の財産を承継したかどうか調べることができず、困ってしまいます。

そこで民法では、次の場合には、相続人が相続の単純承認をしたものとみなす規定を定めています。

  1. 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき
  2. 相続人が自己に相続があったことを知ったときから3ヶ月以内に、相続放棄又は限定承認の手続をしなかったとき
  3. 相続人が、相続放棄又は限定承認をした後であっても、相続財産の全部又は一部を隠したり、処分したりしたとき

つまり相続人が、相続放棄の手続をする前、した後を問わず、相続財産を処分したり、隠したりしたときは、相続を単純承認したことになるので、相続放棄が認められません。もしくは、相続人が3ヶ月以内に相続放棄の手続をしなかったときは、単純承認したことになるので、期間経過後に相続放棄をすることはできません。

相続財産の処分と相続放棄の可否

相続財産に手をつけるのは、相続財産の調査が完了してから

POINT
  • 相続放棄をしたくても、相続財産を処分した後には、できなくなる。
  • 相続を承認するか放棄するか方針が決まるまで、相続財産は使ってはダメ。

一度、相続について承認又は放棄をした場合には、たとえ相続開始から3ヶ月以内の期間であっても、撤回することはできません。(民法919条1項)たとえば、相続人が相続財産である預金の一部を払い戻して、その金員を浪費してしまったようなときは、その相続人ついては、単純承認したことになりますので、たとえ期間内であっても相続放棄は認められないということになります。

相続放棄をする可能性が少しでもあるときは、相続人は相続の承認又は放棄をする前に、被相続人の相続財産の調査をすることは可能ですので、調査が完了するまで、被相続人の財産には手をつけないことが大切です。

また、相続放棄の手続は、相続の開始があったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に手続をすることが必要ですので、出来る限り期間内に手続をするようにしましょう。もし、被相続人との交流関係が薄かったり、被相続人が事業を経営していたなどして債権債務の関係が複雑だったりして、相続財産の調査が期間内にできないようであれば、期間の延長をすることもできます。(熟慮期間の伸長の手続はこちらを参考ください。

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