不動産登記

被相続人の最後の住所と登記上の住所が異なる場合

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被相続人の最後の住所と登記上の住所が異なる場合

被相続人の最後の住所と登記上の住所が異なる場合

被相続人の最後の住所と登記記録上に記載されている住所とが異なっている場合、被相続人の本籍と登記記録上の住所が同じであれば、所有者名義人の表示変更登記をすることなく、相続登記を申請することができます。

また、異なる場合でも登記済権利証や住民票の除票、戸籍の附票を添付することで表示変更登記を省略して、相続登記を申請できます。

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  1. 登記名義人の同一性と住所変更の登記手続き
  2. 相続登記における被相続人の同一性と住所変更手続き
  3. 住所に関する証明書が破棄されて取れない場合

登記名義人の同一性と住所変更の登記手続き

不動産登記において所有権移転の名義変更手続きをする場合には、不動産登記簿(登記事項)に記載のある所有者名義人が同一人物であることを証明するために、所有者名義人の住所を現住所にあらかじ変更しておく必要があります。

たとえば、中央区銀座に在住の甲山三子さんは、5年前に父親から相続したこのA建物を売却しました。しかし甲山三子さんは、相続した後に引っ越しをしたため住所が変更していて、登記上では旧住所が港区新橋と記載されています。このままでは、甲山三子さんと登記上の乙川三子が、同一人物であるかどうか判明できないため、所有者名義人の表示変更の手続きによって、登記記録上の住所の記載を現在の住所に変更しなければ、売却のための所有権移転登記手続きをすることはできません。

所有者名義人の現住所と登記記録上の住所が異なる場合

POINT

  • 売買などを原因にして所有権移転の名義変更手続きをする場合には、不動産登記簿に記載されている所有者名義人の住所が、引っ越し等の理由で、現在の住所と異なるときは、所有権移転登記手続きに先立ち、あらかじめ所有者名義人の表示変更の登記手続きをしなければなりません。

相続登記における被相続人の同一性と住所変更手続き

相続登記において、所有者名義人と被相続人の同一性は、被相続人の戸籍謄本に記載の氏名及び本籍と登記記録上の氏名と住所とが同一であるかどうかによって確認しています。本籍と登記記録上の住所が同一である場合には、戸籍謄本によって同一人物であることを確認することができます。反対に異なる場合には、戸籍謄本には住所の記載はありませんので、住所を確認するために本籍の記載のある住民票の除票や戸籍の附票によって証明する必要があります。

被相続人の本籍と登記記録上の住所が同じ場合

そして相続登記においては、住所を異動したことなどを理由に、最後の住所と登記記録上の住所が同一でなかったとしても、住民票の除票や戸籍の附票によって同一性が証明できる場合には、あらかじめ所有者名義人の住所変更の登記手続きは不要とされています。

また、29年4月からは、被相続人の同一性を確認するための書類として、所有権に関する被相続人名義の登記済権利証を提供すれば、相続登記をすることができるようになりましました。(平成29年3月23日付法務省民二第175号)(登記済権利証の代わりに被相続人名義の登記識別情報で足りるかは現時点では不明です。)

被相続人の本籍と登記記録上の住所が異なる場合

関連情報
  • 戸籍の附票とは、戸籍に入っている者の住所履歴に関する記録です。住所を異動した場合、市区町村役所で住民票の住所変更(転入、転出、転居)の届出をすると、その情報がその者の戸籍を管理している本籍地の市区町村役所に通知され、戸籍に記録されることになります。

戸籍の附票

POINT

  • 相続登記では、被相続人の本籍と登記記録上の住所が同一である場合には、追加書類は不要です。
  • もし本籍と登記簿上の住所が異なる場合には、住民票の除票や戸籍の附票、所有権に関する被相続人名義の登記済権利証などの書類を用意する必要があります。
  • 相続登記の場合には、住所移転などを原因として、被相続人の登記記録上の住所と最後の住所が同一でなかったとしても、事前に所有者名義人の住所変更の登記手続きは不要です。

住所に関する証明書が破棄されて取れない場合

住民票の除票や戸籍の附票などの住所を証明する書類については、管理している市区町村役所において、最低保存期間を経過すると取得することができなくなる場合があります。住民票の除票においては、死亡や転出してから5年、戸籍の附票も除籍や転籍してから5年するとそれらの情報は破棄されます。(市区町村役所によってはより長期で保管している場合もあります。)住所の履歴を公的に証明する書類は、住民票と戸籍の附票に限られますので、これらの書類が破棄されると登記記録上の住所と被相続人の最後の住所を連続した履歴として確認することができません。

住所に関する証明書が取得できなかったとしも、平成29年4月より所有権に関する被相続人名義の登記済権利証をこれらの証明書に代えて提出することで、相続登記を申請することができるようになりました。

しかし住所に関する証明書も取得できないしかつ登記済権利証も紛失してしまった場合には、不在籍証明書及び不在住証明書や相続人全員からの上申書(実印で押印し印鑑証明書の添付が必要)、固定資産税の納税通知書などの書類を用意しなければならなくなります。法務局や事案によって用意する書類が異なる場合もありますので、申請の際には事前に司法書士や法務局に相談することをお勧めします。

関連情報
  • 不在籍証明・不在住証明とは、申請した住所や本籍・氏名に該当する戸籍や住民登録がないことを証明するものです。登記記録上に記載されている住所や本籍には、現在、被相続人の住所も戸籍もありませんということを証明することで、登記記録上の所有者名義人が既に異動していることで、申請人がなりすましではなく同一人物であることを消極的に確認することができます。

POINT

  • 住民票の除票や戸籍の附票については、市区町村役所における保存期間が経過すると、破棄されて住所の履歴に関する証明書が取得することができなくなる場合があります。

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